給与未払いで退職は自己都合!?
自己都合なんです
もし会社から給与未払いもしくは給与遅滞によって会社を退職したら、それは自己都合か会社都合か・・・?
離職する会社からしてみればそれは自己都合です。おそらく、離職する会社から発行される離職票の退職理由欄には「自己都合退職による」等と記されているでしょう。ですので給与遅滞や未払いによって会社を退職したとしても、失業給付を受け取るのは早くても3ヶ月後ということになります。
給与受け取っていないのに、失業給付が3ヶ月後だなんて・・・。でも条件さえクリアしていれば、会社で自己都合とされた退職理由をハローワークが変更することが可能です。
給与未払いは自分ごとか?
雇用契約を結んだ上で就業しているわけですから、従業員としては給料は遅滞なく受け取りたいものです。まぁそれが普通です。従業員にとって給料は会社からの評価であり、もちろん生活する上で欠かせないものです。給料がでなければ、家賃も、水道光熱費も、子供の教育費も払えません。
会社から給料がでない、給料支給日なはずなのに数日遅れているなんてこと・・・あるわけないと思うかもしれませんが以下の表をご覧ください。
これは厚生労働省が発表した賃金不払残業を是正した結果報告です。20万人以上が残業代などの割増賃金を受け取っていなかったということがわかります。しかもこれはあくまでも、1企業100万円以上未払いだった厚労省が是正した企業のみの数字なので、是正されていない企業の従業員や、割増賃金ではなく基本給が未払いという方は含まれていません。これらを含めるとなんらか給与未払い状態という人は決して少なくないということがわかります。
自己都合退職が会社都合退職に変更になる条件
給与が払われない、このままでは働いているのに生活できないということになれば、退職して、別の仕事を探すしかありません。(会社を信じて働き続けるという選択肢も、もちろんあります。)
しかしこの場合、会社側からしてみれば自己都合退職となり、退職した会社から受け取る離職票にも自己都合と記されます。
退職し、次の仕事が決まるまで生活や就職活動の金銭的助けになるのが、「失業給付金」です。しかしこの失業給付金は自己都合退職だと3ヶ月の待機期間というのがあり、すぐには受け取れません。
しかし、国のルールで、3ヶ月以上給与未払または遅配の場合は会社都合退職とみなすそうで、離職後最初にハローワークで手続きする際、離職理由の変更が可能とのことで、すなわち失業給付金の待機期間がなくなるということが可能です。
その際以下のものが必要とのこと。
>雇用契約書(給与支払日が確認できるもの)
>給与振込先となっている通帳(給与未払・遅配がわかるもの)
給与未払・遅配以外でも例えば会社の破産、過度な残業などでの退職は会社都合退職に当たるとのことで、離職した会社から受け取った離職票が「自己都合退職」とされていても、「会社都合退職」に変更するとのことです。
ですので、受け取った離職票に記されている「自己都合退職」を鵜呑みにせず、離職票に記させれた退職理由について一度ハローワークに相談してみるのがいいかと思います。